立ててある竹使途不明鯰池  藤田湘子

鯰池のそばに竹が立ててあるが、何のために使うのか全然わからない、という句だ。「使途不明」という言葉は「使途不明金」などというようにちょっとかたい言葉だ。そういうかたい言葉が俳句の中に入ってくると、なんともいえない諧謔のニュアンスが出てくるから面白い。

句集『てんてん』(角川書店)より。