土にもの言へり馬鈴薯植うる婆   山崎和賀流

のどかでおおらかな風景が広がってくる。
馬鈴薯ではなく「土」に語りかけているところに、よろしく頼むよ、というような親心が感じられる。
きっと、返事はあるのだろう。「馬鈴薯」が育つ頃にはまた、ありがとう、と言うのだろう。
突き放したような冷たい文体が、より「婆」の優しさを引き立てているようだ。

川村杳平著『鬼古里の賦 ―川村杳平俳人歌人論集』(コールサック社、2012.7)より。

「『北の俳人』『北の歌人』をここまで集中的に論じた類書は、いまだかつてなかったのではないかと思われる。」とは復本一郎の序文の弁。
読み応えたっぷりの一冊です。