木の葉木の実集め小鳥のやうな日々 すずき巴里

落ちている木の葉や木の実を掃き集め拾い集めるような日々は、まるで小鳥のような日々であるという。「小鳥のやうな日々」とはどんな日々だろう。象やライオンではなく、小鳥という可憐でか弱いもの。贅沢しないで、少しずつ必要なものを集めては使い、激しく戦うよりはさっと身をひるがえしつつ、思いのむくまま囀るように、身軽に生きてきた人を想像する。小さな庭に自得している姿は快くも少し切ないか。

第一句集『パリ祭』(2012年7月、角川書店)より。「花見川さくら学園三十周年 園長退任」と前書あり。