さくらの夜塩壷の腰ぼつてりと   唐澤南海子

うっとりとした春の空気感の中に、浮かび上がってくるように「塩壷」。
「ぼつてり」という言葉が「塩壷」のかたちをうまく捉え、句に余裕を持たせている。
窓の外の桜のピンクと塩壷の中の白い塩が響きあい、うっすらとした春愁も感じられる。

第27回俳壇賞受賞作品「春の樟」(『俳壇 2月号』本阿弥書店、2013)より。