2015.4.30 書肆山田刊行 冬野虹作品集成 第1巻より
先日、ライバルは誰か?というような話題になって、左に村上さん、右に敦姉が座っていて、安心して酔っ払っていたのでうまく答えられませんでした。ビール、ワイン、日本酒日本酒日本酒、ぐらいの状態だったし、それは無理。よく生きて帰ってきたなと。
それより結構前だけど、黒岩くんにライバルは誰ですか?と聞かれて、この時も確かキョトンとしてしまったのを思い出しました。
憧れでもなくて仲間でもなくて、ライバル、生きているライバル、うーん、居ないよりはいた方が楽しいかもしれませんね。
ちなみに、句会をご一緒したい人は周さん、句会の最中に僕の句と比べてどうかと意識するのは敦子さん、ずっと一緒に飲んでいたいのは村上さん。こわいのは師匠。選が気になるのは岸本さん。
みんな好きな作家です。
さて、冬野虹さんの「雪予報」以降を見ていきましょう。
雪ふると池のにほひのからだかな
あぁ、からだが実に不思議。池というのが清らかで良い、海や川では感じが出ない。
冬りんご忘らるる人庭に佇つ
冬のりんごの香のごとく佇つ。
菊人形かたき泪をおとしけり
凛とあわれに。「泪」と書くとそのように落ちる。菊人形には悪いけれど、悲劇の方が美しい。
おびただしう霧たちこめてゐる華足
華足だけがくっきりと見える。そこはいったいどこなのだろう。
春鹿の鼓動は池にやはらかく
池は作者の嬉しいと思う心。
ふゆすみれ多産の母につめよられ
負けまいとする意思。ふゆすみれと書くと清らかな雲のよう。
いつのまに虹とよばれぬ巣に星ふる
空には時々美しいもの。飼猫の名前もニジというのを知って素敵だなぁと思いました。
鯉の背をかすみのやうにとび越えて
意識よ、とべ。現実でも意識として読んでも良い。
初春の切手のジャンヌ・ダルクかな
正義を心に。これも音がとても良い。
無邪気な忍者だったつるつる二月
紅梅のあと白梅と忍者つるつる。忍者が春の使者のよう。
頭蓋骨ゆふやけうすくこびりつく
薄けれど決してとれずに。けむりのような、かすみのような。
鯉の尾のふかくすぎゆく明の国
明の国がもたらす鯉の立派さ。虹さんの描く中国はとても魅力的。
肋骨が折れたと夏の便りかな
それもまた夏らしくあなたらしく。
天国も地獄も雨や雛かざる
これは大好きな句。天国と同じく地獄にも美と可憐さがある。雨が抜群に良い。
まだまだ続きます。
じゃ
ばーい