(山本素竹『俳句Ⅱ』孔文社、2002)
あぁうぁぁあぁ・・・
「うわっ、ひどい有り様、何か言い残す事はありますか?」
・・・、や、やまもとそちくさんの・・・、句集が・・・
とっても面白いのです、という事で今回はホトトギス同人、山本素竹さんの『百句』という句集を紹介させていただきます。
とある素敵な姉さん俳人より、「きっときりんは好きなはず」といただいたこの句集、姉さんズバリです、ど真ん中とはこの事よ、と僕の好きな句がずらりと並んでます。
この『百句』という句集、表紙には『百句Ⅱ』となっており、第二句集となってます(残念ながら『百句Ⅰ』はもう手に入らないみたい)、四季順に、1ページに一句書きで看板に偽り無く百句続きます、これを淡白と取るか、自信満々と取るか、とにかく百句で読者を満足させる力量はさすがです。
さ、僕今リアルにお腹痛いんですけど読んでいきましょ
小さくて大きなバレンタインチョコ
男の子の気持ちが痛いほど出てます、あの素直な頃に戻りたい。
家といふ大きな雪間ありにけり
大きなという部分に人間のあたたかさを感じます
花茶屋にもうつかまつてをりにけり
花の一字が見事に効いてます、楽しそうだなぁ。
いやに靴乱れてをらぬ花の宴
これからこれから
蝌蚪の国そつくり消えてをりにけり
そつくりが僕なんかにはどストライク、少年時代の寂しさ
ぼうたんのおほきさに咲き疲れたる
なるほど、牡丹はこんな風にちょっと斜めから詠むとまた面白いんですね。
頂上の風に冷たき汗となる
気持ちヨカー!
活き活きと芭蕉破れてをりにけり
イキイキと活き活き詠んでます、ニコニコしながら作っていそうな俳句
カラフルな日傘の中に見失う
一見楽しそうだけど、あっ、という不安感がありますね、子供の頃の迷子のような。
服といふよりも水着に近かりし
げにまっことキワドイき、たまるか!
↑土佐弁でとっても嬉しいですの意味(ごめん嘘)
ほうたるの声は光でありにけり
螢という季題の感動をいかに抑えるか、というのが大人の手腕
いつせいにいなくなりたる水遊び
誰かがオシッコをしてしまったからではない
網戸乗り越えたるものは打たれけり
あはは、あわれと可笑しみは紙一重
傾いてきてより芒らしくなる
もうまるっきり立派に詠もうとしていないところが良い、より、なんて面白いなぁ。
枝豆を出して亭主のいなくなり
・・・、チーズとかあとなんかください
一粒の露の大きくこぼれたる
まるで、生きてるみたいです、このタイプの俳句は大きく、に好き嫌いが出そうですね、僕は好き
茸より人を信じてをりにけり
きりん「君の事が好きだぁー!茸より」
とか言ってみようかな、・・やめとこ
虫の音に埋まりし耳が静かなる
ひんやりした感じがよくわかりますね、気持ち良さそう
煙ほど秋刀魚焼けてはをらざりし
こう言った句が写生なら写生はとっても面白い句を産める技術です。
秋風に揺れゐるものに加はりし
何でしょうかね、僕の事かな
着膨れることで安心してゐたる
わかりますね、今ふっと寒空はだかさんという方を思いだしました。
火事を見て帰るしづかに高ぶりて
三鬼の火事と並べてみるとまた色々感じますよ
空高く焚火の煙曲りけり
何でもなさすぎて、なぜか煙が曲がっただけで楽しい
美しき足は寒さに負けてゐず
つんとした美女が浮かんで楽しい
透明なガラスを越えてきし寒さ
不思議な透明感があります、すーっと越えてくるところが良い。
世の中には面白い句集がやたらたくさんある、古いものにも新しいものにも、いやぁほんと、楽しい句集でした。