2013.9.14青磁社刊行
『魚目句集』より。
古い写真を見返すと色々驚きがあります。
ほんの七年ほど前の写真を見ると、髪は茶髪で、ユニクロで買ったバスキアのシャツを着て、下北で買った先端の尖った靴を履いて楽しそうにしている自分の写真が…。
だ、ダサい…。
昔に戻りたいとほとんど思ったことがない理由の一つが、昔の写真を見て、こんな恥ずかしい時代には二度と戻りたくはないと思うからです。
恥の多い人生です。
昨日より、今日。今日より明日。
『崖』の続きより。
汗の画家旗の如くに鰈描く
ひらり。激しく面白く。虚子の冬日の句を連想しながら読むとちょっと楽しい。
蟬の寺土塀倒れし騒ぎあり
暑い日の騒ぎは、あっつい。
青林檎机に避暑も二日目に
うきうき感もやや落ち着き。
吉野線帰燕の空のひろびろと
吉野線、空ひろびろとしてそう、と想像しやすいのが良い。
獵期来るカーテンの裾壺に触れ
そこに壺、多分大きな壺。
冬すすむ坂を快走牛乳屋
これは気持ちが良い。快速快速、牛乳屋。冬すすむ坂の一直線なイメージも良い。
凍蝶のたましひはしり翅ふるふ
蛇笏や敏雄、魚目、それぞれのたましひ。「はしり」が良い。
胸ほどの焚火の高さ野の家に
結構デカイ、思ったよりデカイ。
冬天に虹この刻も石切るか
冬の虹、ではなく、冬天の虹、でもなく冬天に虹。石切もまた美しい詩。
やっと第一句集が終わりました。
じゃ
ばーい