ぎょぎょ、もくもくもく17

2013.9.14青磁社刊行
『魚目句集』より。

久しぶりに越智くんと飲みました。初めて会った時の越智くんは18歳ぐらいだった気がしますが、月日は流れますな。

あの頃、僕はまだ茶髪だっけ。

その頃の学生の句会には、ゆーむ、生駒くん、越智くん藤田くんとかが居たかなぁ。

飲み屋のお姉さんが言っていたけど、学校出るまでは色々あるけど、卒業したら、あとは一瞬、色々はないわよ、って。

こわいこわい、日々を一生懸命生きよう。

さて第七句集『松下童子』より。

でで虫の殻うごきけり冬のゆめ

白のイメージ、それが動く。

火にのせて焦す草餅遊学す

楽しい響き、遊学生。

大鯉とならび泳ぎて手捕りしと

そりゃ。国芳の浮世絵の大魚を見ると、何となくこの句を思い出します。

田水沸く日々を仏に近くをり

ふつふつと、仏の近く。

山中の涼気ひたひた来る犬も

ひたひたわんわん。歩みが涼しい。

ひらひらと人にふる雪初大師

人に楽しい初大師。

風にのる百のかもめも雛祭

ふわり感。かもめは形がいい。

白昼の風曲げにけり神の滝

神カーブ。

蟻のぼるむかしの家の雨の音

歩けばきしきし、雨はざあざあ。

餅食べしあとを山見て坐りをり

雄大にぼんやり。

手紙冬倫敦厭になり候

漱石だって厭になる時もある候。

応答はきりりころろと初かはづ

るるるるるるる。

くものかほこほろぎのかほ風邪籠

へぇ感。世界は想像よりも面白く、不思議。

てのひらに古墨はかるし秋の昼

手にも楽しい古き墨。

箱庭の釣人もまた雨の中

雨の音も涼しく。

白うちは山のうらより月出でし

ひらひらと紙のような。

山門の大字ゆらゆら餅の湯気

強いエネルギーみたいなものを感じます。いい気分の。

あ、終わりました。

魚目さん、十七回もかかったけれど今日で読み終わりました。どの句集にも魅力的な世界がぎゅっと詰まっていましたね。

次は何やろうかな

じゃ

ばーい