1990.2 沖積舎刊行
『原石鼎全句集』より。
陸奥守吉行(刀)が観たくて龍馬展に行ってきました。
武具や刀を観てもほほーっと思うだけで見比べたりは全く出来ない
昔村上さんが、刀剣武具の類は人殺しの道具であるから観ない、
そうなんだけど、そうなんだけどなぁと思いつつ、
ただ最近刀が若い女性の間で流行っているらしく、
石鼎の続きを。
春鹿の眉あるごとく人を見し
久しぶりの有名句。鹿くん。
そのなかに角なき鹿のおぼろかな
鹿は鹿の国へ。
陽炎や一葉の草にのぼりけり
影のような、煙のような。
大籠に引ずりいれし幟かな
何でも入る。
でで虫の腸寒き月夜かな
冷え冷えの中身。魚等でないところが不思議なところ。
見つめ居れば明るうなりぬ蝸牛
明るい狂気。
夏帽や我を憎む人憎まぬ人
人の世はなんと面倒な。
庭闇へ去る時白し蛾のつばさ
鮮やかな白。「つばさ」の表記が明るく浮かんで見える。
遠山の低く沈める花野かな
あの辺り。
秋晴の滝玲瓏と落ちにけり
秋の空気と、水の白さと。
たまにすごい句があります。石鼎全句集、
じゃ
ばーい