昭和57.9.15角川書店刊行 「杉田久女読本」より。
いつも空腹なのと、食え食えと言われて無理して食べる、師匠に言われて辛いのは、実は無理して食べる方(残せないもんね)、みたいなことを書いていたのは談志のお弟子さんだっけな。
実家では毎日毎日モリモリモリモリごはんが出ます。18から一人暮らしをしているので、親の記憶というものはそのまま止まっているのかもしれません。
しかし悲しいことに僕の胃袋は34歳、世の中的にはおっさんなのです。
胃薬を使いながら、ニコニコと出されるものを完食していきます。朝からお酒もごくごく飲み干していきます。残ったおかずは昔の母のように僕が食べ尽くしていきます。
人間にとって、一番大切なのは愛です。
では、久女の二回目。ゆっくり読んでいきましょう。
入学児に鼻紙折りて持たせけり
あれやこれやと。
ゆび輪ぬいて蜂の毒吸ふ朱唇かな
毒と美。
バイブルをよむ寂しさよ花の雨
寂しくて、激しくて、美しい。
花衣ぬぐやまつはる紐いろいろ
代表句中の代表句。それでも何度見ても美しい。
大江戸の雛なつかしむ句会かな
古きよき、立派なやつ。
雛菓子に足投げ出せる人形たち
人形たち「人形も楽じゃないぜ」
幕たれて玉座くらさや雨の雛
好きな句。うすうすとある昼の闇。
雛愛しわが黒髪をきりて植ゑ
雛に宿す我が魂。
雛市に見とれて母におくれがち
あぁ雛様、美しい雛様。
一間より僧の鼾や青嵐
屈強僧。
洗ひ髪かわく間月の籐椅子に
月光をまといながら思うこと。
いや、ほんと、名句だらけです。バイブルや花衣だけが久女ではないですね、じっくり読んでいこうと思います。
じゃ
ばーい