2017.6.1ふらんす堂刊行
「鷹羽狩行俳句集成」より。
先日お友達が尾道に来てくれたので、尾道浪漫珈琲(という僕が大好きな喫茶店)で俳句の話や世間話をだらだらと楽しみました。モーニングを食べてアイスコーヒーを二杯、ゆるい、とっても楽しい時間でした。
僕は「頑張ったけど、駄目だった」というタイプの漫画やら映画が好きだという話題になり『スラムダンク』の全国大会であっけなく負けてしまうところや『三月のライオン』に出てくる島田さんが負ける場面、北野映画の『キッズ・リターン』はそういう意味では最高。あと映画化された『聖の青春』で染谷将太が必死で、鼻血を垂れ流しながら頑張っているのに、あっけなく小学生に将棋で負ける場面、あそこも大好きですね、なんて話を。
ただ、「頑張って」負ける、というところが大事で、頑張って頑張って、でも駄目で、というところにどうしようもない愛しさのようなものを感じます。あ、これは俳句とは、関係ない話ね、長々書いておいてなんですが。
『十一面』を読んでいきましょう。
初鶏のあとのしづまりかへりたる
あとは静か。
渦ゆるく渦にしたがひ春の水
春の渦。
筍掘るとどめの音を土の中
とどめの一撃。
ことごとくこまごまと出て夏料理
ちょっと面倒な。でも高級な。
露の世の人にも句にもなほ飽きず
嘘じゃないよ。
悲しみの形のままに海鼠凍て
ちーん。
仏壇の艶(つや)を映して油虫
つややかな、あいつ。
さういへば鼠花火のやうな奴
であったことよ。
ゆく年やどつかと熊の皮の上
田舎にはある、虎、熊、鹿。家は大きく車は複数。
滝といふ水の塊(かたまり)落ちに落つ
ごぼぼぼぼ。
蟹の脚折り応へあり折つて食ふ
ばりばり、むしゃむしゃ。
今日はここまで。
じゃ
ばーい