嫌になったら飲みながらホラ島田修三さんだよお

『島田修三歌集』(現代短歌文庫、2000)

どーもどーも、皆さん元気ですか?
僕はあまり元気じゃありません、しょぼくれた干物のように汚い部屋で横になってます、急に寒くて嫌んなっちゃいますね、あぁ飲みに行く元気もないし・・・、うーん、でも飲もうかな、よいしょっと

一人で飲んでると色んな事を思い出してしんみりしちゃいます、昔花火大会の駅誘導の警備というバイトをした事があり、一日中最悪な空気の中「左側の階段をお使いくださーい」とだけ大声で叫ぶ、という過酷なバイトをした事がある(食うか死ぬかの麒麟花の23歳の頃)、花火用に浴衣を着たカップル達に軽蔑の目で見られながら「左側を~」と叫ぶ、死にたいなぁ死にたいなぁと思いながらやるバイト・・・、今でも花火のたびに焼けるような屈辱を思い出します。
空缶とゴミ置き場の凄まじい臭いの場所で休憩させられたなぁ
仕事が終わった直後に駅のエライ人が出てきて
「お前らもっと大声出さないとだめだよ、全然だめだよお前ら、仕事なくなったらオマンマ食えないんだろ、しっかりやれよ」
ボロボロのおじさん達と下を向きながら聞いたなぁ
若いうちは、死にたい死にたいなんてよく思う、もうそれはきっと仕方がない、そんな時に読みたいのが今日の短歌、屈辱の日々をナメルんぢやネエと思うのが明日を生きる力になる、ふぅ~、飲み過ぎたって良いじゃない、マクラが長くっても良いじゃない!

だからよーお、つまり、島田修三万歳!さて、読むぜ、ナメルんぢやネエだぜ!

つひに歌が生活越えざる苛立ちのトンボ鉛筆やたらと折れる

あぁやるせねぇ、やるせないのは結構好きさ

夏目家の便所に滑り落ちしとぞ岩波茂雄といふ人物(ひと)ぞ変

この歌も変、タハハ、とっても可笑しい

おお、おお上等ぢやないのと言ひかへし机たたけば机は硬い

これぐらいじゃないとね!これは僕の大好きな歌、こうありたい、飲み屋での勝負は、負けちゃいけない

女房のコブラツイスト凄きかな戯れといへ悲鳴ぞ出づる

ぎょおおお~!!←悲鳴ぞ出づる

眠ければただ寝てゐたるひと日にてこの自堕落が俺を支ふる

そうだそうだ、うぅ、そうだぁ(半泣き)

あれからどうしてると問ふ旧友にしてあれから切なく太り始めた

切ねぇっ!切ないじゃない、切ねぇっ!(絞り出すような声で)

ビンボーと微妙に異なる涼しさや素饂飩ばかりで今日(こんじつ)を越ゆ

お金がない時に、あぁ肉が食いたい、と思うのが今でも好き

父親の威儀をキメつつ子にただすこの答案のブザマは何ぞ

明るいブザマはどこか楽しい

稿つひに書けざる未明の狼狽は女房(にょうぼ)のフトンにもぐれば蹴らる

あぁ切ない、書けよ!とばかりに、きっとこのあとションボリ机に向かう

わが心にがく淋しく〈よっちゃんいか〉醤油臭きを研究室に食(たう)ぶ

たうぶとか言ってもよっちゃんいかだからねぇ

つづまりは俺の内なるニッポンが鬱陶しいのだギヴミーウイング

ダサイは時にロックでござる

もつとマジメにやれといふか畜生!マジメに歌へど歌へば傾(かぶ)く

この「畜生!」の心が好き

物憂くも梅雨ふるものか黴くさき書庫出づるとき壁ぶん殴る

気にいらねぇっ!

見せくるる志野の茶碗をてのひらに包みてをれば尿意に堪へ得ず

えぇ~

ネエ教授などとそびらに呼ぶ声すネエとは何だナメルんぢやネエ

ナメルんぢやネエの心をいつまで持ち続けるかも詩人の才能の一つだと思う、ナメルんぢやネエ!良いね!

ワケあつてクレープ渋谷にて喰つてをる嗚呼この味は結構よろしい

うん、よろしいでござる、タハハ

女はどうもゴミつぽいとか言ひこなし露伴爺いの小言よシブイ

確かにシブイ、露伴だからねぇ、だめだめ真似しちゃ、危ない危ない、叱られる、いや、嫌われる。

姑息なる俳人ふたり俺に来て写生大事と説くのであつた

そして修三さんはナメルんぢやネエときっと思った、タハハ

生き残るわれらマヌケを見下ろして遺影は笑ふ笑へばいいさ

修三さんの歌の良いところは、やってやろうじゃないの、という気持ちを感じるところ

下駄はいて線路! なんぞと嬉しけれ大宰治は俺のVITAMIN

そうだそうだ、僕も!と言いたくなるのが修三さんの歌

なんだか元気が出てきたぞい、どんなに嫌でもつまんなくても明日は来ます、ナメルんぢやネエの気持ちを持って、なんとかかんとかやっていきましょー!
では、バーイ、ふぅ飲み過ぎた・・・

One thought on “嫌になったら飲みながらホラ島田修三さんだよお

Comments are closed.