『渡邊白泉全句集』平成17年沖積舎刊行
二日だけ休みがあったので、一泊二日鎌倉の旅に行ってきました、遠くに行ってつつましく遊ぶか近くで豪勢に遊ぶかで、近くになってしまいました。
いやー、休みってのは良いですね、もうずっと休んでいたいぐらい、楽しかったなぁ。うなぎ屋で昼からビール日本酒と飲んで、良いじゃないか、ケチケチするなよ、近くにしたんだから、ねぇ飲ませておくれよ、とA子(僕の旅費をすべて預かっている)に懇願して、一本よ、日本酒は一本だけよ、とあぁ昼酒は良い気持ち、やや酔った状態のまま大仏様を観に行って、いやー、デカイネ、たははーと、こっちゃ飲んでますので爆笑しつつ、ベタベタな観光をして藤沢で一泊をしてホテルでまたビールと日本酒を飲んで、いやー、良いじゃないか、寿司ぐらい食わしておくれよ、日本酒と寿司が良いんだよ、ね、良いだろ、とA子(僕の旅費はすべてA子のがまぐちの中)に頼み、飲んでは食べてぐーすかぐーぐー、あぁ良い気持ち、ってなもんで二日目の事はまた次週書こう
…何の話だっけ?あぁそうそう「白泉全句集」ね、そう、買ったですよ、欲しくて、安いし多分手に入るからみなさん買った方が良いですよ、そんじゃ読んでいこうかねー
雉子ゐたり一羽にあらず二羽ゐたり
二羽もゐたなり、まじで
月のもと外人ひとり浪乗りを
キャッホー♪ニッポンタノシイデース
かまきりが墓の羅馬字わたりゐる
羅馬字と書いてみたら面白くなっちゃったのかな
鶴とべり初鶴とべり鶴は美(は)し
世の中で鶴より良いもんはない
やはらかき海のからだはみだらなる
中学生のような、いやいや詩人の感性です
折るふねは白い大きな紙のふね
リズムの良さが、こうやってこうやってねー、とイメージさせてくれる
ああ夜の馬かと見れば松の影
ああびっくりした
遠い馬僕見てないた僕も泣いた
有名な句ですね、なんとも可愛く悲しい、「僕」がすごく生きてます
走り行き横を振り向きて戦死せり
戦死連作から「横を振り向きて」があまりに生。天兵連作やら全滅連作やらとにかく凄い、巧いと言うよりは凄いが当たってます
全滅の馬が卍となり散らばる
有名な句ですね、他の全滅連作の句も全部読ませる句ですが僕は特にこれ、卍が壮絶過ぎる
労働者低きところに笑ひゐたり
煙草吸って弁当の話とかエロ話とかして…
手を組みて笑める男を殺し度し
その高笑いが気にいらねぇ
かうもりをボツンとひらき会社出る
ボツンが巧いですね、見えるようです、男のコウモリ傘は哀愁があって良い
盗賊をせばやと笑ふ五月かな
五月と言えば寺山の「五月の鷹」ですが、盗賊も良いなぁ、ヤブレカブレな感じが実に良い
白泉は、全句数と言えども作品数が少ないので一気に読めます、一家に一冊いかがですか?
そんじゃ、ばーい