マックが九時まで、漫画喫茶も潰れたてねぇよ、ガチンコ野宿29歳の梅雨。井月を読む

2008.11.20井上井月顕彰会発行、竹入弘元著「井月の魅力」より

注)まくらは基本的に前回からの続きです、なぜまくらが続いているんだろう…

村上さんから
「淡海に行ってきました、冷酒を飲みました、うらやましい?」

ってメールがきました、えぇ、うらやましいです。

井月の間だけ悲惨なマクラを書き続けようかなと思いました、自分で書いて、後日自分で読み返し、あぁ可哀想な麒麟よと楽しもうと考えています。基本的に僕は自分大好きです、アワレがあります。

僕が住んでるとこってマックが九時で閉まるんですよね…、健全な村人しか居ないためきっと終電を逃したらなんて発想がないのでしょう、あ、ホテルとかないんで、言っときますけど。

この麒麟村(仮)はですね、家賃が安いからという理由で、関東に来てからずっと住んでいます。家賃はこれ読んでる関東の人の半分ぐらいなんじゃないかな…、リアルな話、うちの家賃って、みんなの駐車場代ぐらいかなと。桜は綺麗だしカワセミはいるし、ほととぎすが綺麗に鳴く、良い村なんですが、なんせね、なんせ田舎なもんで。

漫画喫茶が二つあったんですが、一つは免許がないと入れてくれず(意味がわからない人は前々回ぐらいを読んでね)、いや、そこまでは僕もわかっていたんですよ、そんな馬鹿じゃないぜ。

もう一件の漫画喫茶、そこに泊まろうと思ってたんです、そこは狭く汚くてですね、会員カードがいらないんですよ、だからここに泊まろうと思って帰ってきたんですが…、いやぁまいりましたね。

潰れてんだもん、なんかコジャレたbarになってんだもん…。

はい、これで野宿が決定しました。

ウロウロウロウロ…、自動販売機の横に座ってみたり、警察がいると、悪くないのに隠れたり、あ、ほととぎす!蛙!もう全然…、もう全然俳句作る気になれず…、うつらうつら…、夜の川を見たりしました。

あぁ数時間前まで楓子さんと楽しくお好み焼きを食べてたのに…。

A子は千葉だし…、村人さん家の綺麗な布団で寝たかったなぁ…、越智くんにどの辺に住んでんのか聞いとけば良かった…。

あぁ…、辛いなぁ、寂しいなぁ…

夜中セブンイレブンでノートとペンを買いました、夜明けまで俳句を作ろうじゃねぇかと。

だめだめ、全然できない、疲れちゃってさ…

朝ふとその辺の石の上で目を覚ますと、ノートにががんぼと青田の俳句が数句書きなぐってありましたが、これがまたひどい…、人間ダメな時はダメです。

さ、井月を読みましょう、テキストはもちろん竹入先生ので。

塗り下駄に妹(いも)が素足や今朝の秋

もっとも好きな句のひとつ、代表句のひとつと言っても良いんじゃないかな。
解説が素晴らしい、以下引用

立秋の今朝、衣更えと同じ気分転換。暦は立秋でも、まだ暑いが、高冷地の信州では、朝晩吹く風の音、鳴く虫の音に秋の訪れを察知する。


うーん、愛が深い、長野県というのはしっくりこない、やはり信州は信州。住んでみると、「北信」「南信」という違いがまた面白い。

朝寒や人の情は我が命

以下引用、簡潔で身にシミル…

人の情けは我が命とは、衣食住を人に頼っている井月らしい。


僕ちゃんと働いてるのに、ちゃんと働いてるのに…井月さんに近い…、なんでだろ…、みんなどうしてあんなにスマートに生きれるんだろ…

草木のみ吹くにもあらず秋の風

あぁわびしい、辛い厳しい悲しい情けない、でもね、案外人は生きていくものなんですよ、ああこりゃこりゃ

誰やらが身を泣きしとや秋の月

以下引用、竹入先生、名文句です。

人生の寂しさ、人間存在の哀れさ、秋は物思いの限りを尽くす。


おぉわびしいかな、秋の月!

山を越川越けふの月見かな

…僕今も酔って終電を逃すとこんなんなんですけど…、今年29なのに…

酔つてみな思ひ思ひや月今宵

きりんのへやではたびたび無許可で村上さん家の話が出てきますが、こんな感じです、村上さん家で集まった時。

稲妻や藻の下闇に魚の影

解説によると、井月さん32の時の句ときちんと判明している俳句らしい。そういうのを読むと、ほー、と嬉しくなります。

方角を富士に見て行く花野かな

以下引用、名文句!

遥か右手に富士山、青空に白い英姿。富士の見える方が西だ。何という大きな句だろう。


なんて気持ちの良い鑑賞だろうか、読むだけで良い気持ちになる。うーん、確かに大きな句。

さーてさて、みんなそろそろ、竹入先生の「井月の魅力」欲しくなってきましたかい?え?買いなさいよ、ほんとにもう…、なにも若手だけが俳人じゃないよ、面白い俳人はたくさんある、良い本もたくさん。

「ほかいびと」もみんな観に行った方が良いですよ、あの映画を観た後で集まってやんや言いながら井月さんの話題で飲むのは楽しいぜよ。

それじゃ、また来週

ばーい