2008.11.20井上井月顕彰会発行、竹入弘元著「井月の魅力」より
先日今井杏太郎さんの記事を週刊俳句に書くためウンウンうなってたら電話が二件…
あ、村上さんだ、今原稿書いてるからあとで良いや
ぶーん、ぶーん
あ、敦子姉さんからメールだ
「留守電聞いて」
これは村上さんが飲んでる時の王道パターンです。
村上さんの電話1
↓
村上さんの電話2(留守電あり)
↓
敦子姉さんから「電話に出て」メール
このパターンの時は早めに電話を返さないと村上兄さんはきっと寂しく思うので、すぐ電話をかけないといけません。
るるるるる←蛙の詩じゃないよ
「もしもーし、麒麟くん?わたしだれだかわかる?」
女性の声?あ、飲んでんだなぁ…と、そもそも後ろから大音量の村上さんの歌声(美声)で電話の声が聞こえない…
麒麟「え、うーん、れーなさん?」
失礼しました、正解は由季さんでした。ほとんど村上さんの歌声で聞こえませんでした。
村上さん「麒麟ちゃんですか?(美声)何をしてるんですか?早くいらっしゃいよ、あなたもそんな田舎に居ないで早く渋谷あたりに越して来なさい(美声)」
そしてまた歌いまくる村上さん
敦子姉さん「もしもーし、麒麟ちゃん?飲んでたのー、うん、ごめんねー、はーい、そんじゃねー」
楽しそうだなぁ。
それから二時間ほどして、一時頃に村上さんから電話が…
「麒麟ちゃん?東京駅で早く帰りなさいって怒られちゃいましたよ、ええ乗りますよタクシー、さすが、経験者は語るですね、それじゃまた」
俳人の心にはみな井月さんのような無茶が宿っているのだと、なんだか嬉しくなりました。
後日、相子さんと飲みながら
「みんな酔っ払いなんですよー」なんてきゃいきゃい話してたら
相子さん「いやいや、人の事言えないからね」
確かに…
さ、井月さんを読もうかな
薬喰した夜は聴かず松の声
たまには良い物食いたい
灰に書く西洋文字や榾明り
一茶とイメージがかぶる人がいるかもしれないけど、井月さんって幕末の人だからね、最近よ。一茶が亡くなった時井月さん五歳ぐらいです。
河豚汁や女だてらの茶碗酒
なみなみ飲むよ、怖いよ、強いよ
よき酒のある噂なり冬の梅
そんな家を訪ねながら一生過ごしたい
目出度さも人任せなり旅の春
以下引用
新年を迎えためでたさも、人様次第。なにもかも人に頼っている旅人井月。
↑
あぁ竹入先生、胸が痛いです
妻持ちしことも有りしを着衣始(きそはじめ)
以下引用
この句、講談社『日本大歳時記』に載る。
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こんな事をわざわざ書くぐらい井月さん歳時記に載らない…、伝説抜きで俳句だけの評価ができる人がたくさん出てきたら良いんですけど…。
稲積むや鶯の餌を摺りながら
稲積む=正月に用いた「いぬ(寝る)」の忌み詞。
へー
以下引用
江戸時代には鶯を飼うことが盛んであった。雛に、鳴き声のよい鶯の声を聞かせて育てると、よく鳴くようになる。
ほー、竹入先生勉強になりました。鶯飼ってみたいなぁ、だめだけど。
世辞はみな人に任せて花に鳥
以下引用
世間の事はみんな人に任せて、自分は花に鳥に心遊ばせよう。花鳥風月の自然を相手に詩歌をつくる風雅な生活は多く人の望むところ。しかし、現実には世事にまみれ、仕事に終われて生涯を終える。
↑
最後はこの句、なんか僕が言われてるんじゃないかと胸が苦しくなりました。あの…、特に古志の人に言っておきますが、僕働いてますからね、うん、働いてんすよ。
現実は辛いのだ、タハっ
さて竹入先生のテキストは今日で終わり、良い本でしょこれ、僕が書いた本じゃないけど買ってね。
そんじゃバーイ。