杉本零句集「零」
平成元年二月二十一日、杉本零遺句文集刊行会発行
つい最近、久留島くんと遊んで無茶に飲み過ぎて翌日死ぬんじゃないかと思うような二日酔だった事は、まぁ書くまい。数日後、千住で飲み過ぎてしかも食べ過ぎた事も、まぁ書くまい、人生色々なり。
その数日後、あぁいつもごちそう様ですHさん、他門ながらいつも可愛がってくださる徳の高~いHさんが誕生日という事で、お馴染みの若手をゾロゾロ呼んでの(もちろんみな俳人ね)実に楽しい飲み会(句会も少々)が開かれました(文姉さん幹事お疲れ様でした)。
いやなんとですね、その店は飲み物が日本酒と水しかない硬派な店で、またまたこれが、うまーい酒、うまーい料理なんです。
鰤大根、肉じゃが、刺身に焼きさんま、え、こんなにうまい食い物でござったかと感動しつつ、もちろん酒がうまい、あぁうまい、こりゃうまい、こりゃこりゃたまらん。
翌日、久しぶりに顔がつやつやでございました。
ちなみに僕がこの世で一番好きな食べ物はキムチ炒飯で、二番は天津飯だったのですが、世の中まだまだ美味しいものがあると思い知りました。
おー、なんか今日は健康的な「まくら」ですね、なんでこうなったかと言うと、今麒麟めはプチダイエットを始め、減量ボクサーのように食べ物の事しか考えられないからです、お…、お腹空いた…。
はい、零さんやろうね、はいやります。
うつむきの強かげんなる扇風機
俺のようだぜ、と扇風機を見ながら思ったとしたら、少し可愛い気もします
出馬表後生大事に着ぶくれて
小さい頃名馬のカードとか集めてたなぁ…、馬は夢がある
金魚鉢置いて夜寒の一杯屋
おやじ「え、金魚鉢ですか?寂しいんでね、置いてみただけでさぁ、意味はないんですけどね、零の旦那、へい、同じやつで、まいど」
零さん、絵になる男
消えゆくに任せてあたる焚火かな
もうそんなに暖かくないけどね
冬草の穂のタクト振る日向かな
空気が透明で綺麗
短日や鴉の如き学生等
ポケットに手を入れてさ
福笹の尖端に吊る招き猫
よく見ておそらくそのまま作っているんだけど、零さんが作ると零の世界になる
ロッカーに聖書ほり込みスケートへ
ロッカーと聖書とスケート、なぜかすごく合う!
玄人に勝負見え来し鶏合
それでも最後まで闘うのです
陽炎うて古りにけるかな遊園地
ぼや~っと懐かしいような、寂しいような思いに浸る。
「どうしたの?」「なんでもねぇよ」とか言ってみたい。
いやー今週もますます零さんのファンになってしまいました。どの句も良い世界です。
そんじゃ、ばーい