佐藤佐太郎全歌集
昭和52年11月10日、講談社発行
あぁ水が美味し。
昨夜は高校時代からの友達が出張で東京にやってきたので、蕎麦屋で昔話なんかしたりしてドガチャカコリャコリャと大いに盛り上がりました。さんざん飲んだ翌朝に水を飲むのはいい気持ちです、ふー。
そういえば、俳句の好みや詠み方がだんだんと変わっていくというのはなかなか不思議で面白い事でありますなぁと水を飲みながら一人しみじみ。
僕が最近心掛けている詠み方は、できるだけボ~ッとして、泡みたいな俳句がポワポワ浮いてくるのを待つ、というのが好きだし調子が良い。
ダイヤモンドみたいな俳句よりも、可愛い柳葉魚みたいな俳句が好きです。
きっと今の好みもまた少しづつ変わっていくのだと思います。そういうのはちょっとわくわくします。
さ、じゃあ、短歌、やろうかな
『軽風』の昭和七年~
傷つきて帰りし兵は今日の昼東京駅に着きしとぞ聞く
悲しみに混みあった東京駅が思われて切ない、ちなみに「上海事変」の歌です。
提灯を持ちたる父に背負われし記憶は家売りしころにやあらむ
おぼろな記憶がなんだか泣けてくる、提灯の灯があたたかい
暁のあらはになりし船の上に翻車魚(まんぼう)の肉をつみかさねけり
へー、マンボウって翻車魚って書くんだね、一回だけ食べた事あるけど、そんなに美味いもんじゃありません、味ないです。
網のなかにをどる鯛赤しいく匹も跳るを見ればこころ楽しむ
うをー、鯛っ、これも鯛っ!?楽しっ!!
という歌です。
昭和八年(佐太郎24歳)
杉の落葉ふかぶかとして林ありとほりて行けば水の音とほし
通ってみたよ、という歌なんだけどしみじみ味わいがあるし案外飽きない歌
あたりには車前草(おほばこ)の葉がゆたかにて人の来て踏むこともなかりき
人が来たりして踏むことはないらしい
歩みこし鋪道の上は夕影となりたるさきに青き海みゆ
24歳の時の歌と知ってるせいか、若々しくて気持ちがいい。なんかさラムネとか飲んだりして、いいね。
波止場にて風ははやしと思ひをり海に向ひて吹きとほるかぜ
いいねー、この歌も。男はね波止場ですよ、青春に波止場あり。ちなみにこの歌は横浜を詠んでいます。
お、『軽風』終わっちゃった。早熟だなぁ佐太郎さん、清らかな歌が多いのだけど、この筋にも当然天才というものがあると思います。次は伝説の歌集『歩道』からやるよん。
人生色々あるけれど、すっきり佐太郎、また来週。
ばーい