銀漢の一滴

9月1日は竹久夢二忌。8月31日・9月1日と、群馬県は伊香保へ。夢二忌俳句大会に選者としてお呼ばれしました。いや、事前投句や当日投句の表彰をする普通の俳句大会かと思いきや、前日に吟行+句会+懇親会、当日もバスツアー吟行+句会と、句会三昧のアグレッシブな会。夢二記念館は所蔵品が豊かだし、榛名湖畔の花野は松虫草の盛り。榛名湖から流れてくる霧のまにまに見える榛名富士の青さに、畏怖の念も湧いてくるような、そんな圧倒的な自然がありました。
実行委員長の俳人で陶芸家でもある木暮陶句郎さんの陶器も、バンバン賞品で提供。いやあ楽しかった。新宿から直通バスで往復五千円やし、来年はみなさん、一緒に行きましょう!

夢二記念館では、去年、夢二の辞世の句が見つかったとのこと。大発見である。

死に隣る眠り薬や蛙鳴く  夢二

亡くなる四か月前に書いたんだったかな。直筆の遺稿も展示されていて、その字がよれよれで頼りないことに、ググッと胸ぐらをつかまれる。ほかにも、夢二の句、いい句が多かったなあ。郷愁を誘う句。

石けりのちょうくのあとや鳥渡る 夢二
夕きりや水底の石相触る     〃

夢二はたくさんのスケッチ帖を残していて、いろんなものをデッサンしている。美人画のイメージが強かったけど、熊とか馬とか動物を描いたデッサンなども。夢二記念館を出て、伊香保の街のはずれを歩くと、まだ燕が飛んでいた。尾がかすれてみえたところが、さっきのデッサンの絵と重なり、一句。

鉛筆で描きたし秋の燕なら  紗希

ゆめじ4

前日の句会と懇親会の様子。稲畑廣太郎さんと、「ひろそ火」同人で会の司会をつとめていらした杉山加織さん(ほんたうに美しい方!会うたびどきどきするのだ。私が親戚の女の子に似ているらしく、親しくしてくださる)。

ゆめじ3

こちらは、実行委員長の木暮陶句郎さんとのスリーショット。「歌って踊れる俳人」を名乗る陶句郎さん、懇親会ですでに踊りを披露した後で、顔が赤くなっていますね。

ゆめじ2

そして、事前投句で特選にとらせていただいたのが、なんと26歳の若者の句でした。織田亮太郎さん、「銀化」所属。中学生のときに中原さんが選者の地元新聞の俳句欄に投稿をはじめてからの句歴だから、もうベテランなり。

銀漢のその一滴に暮らしをり  亮太郎

地球が水の星であるということが「一滴」ですとんと実感できる。「暮らしをり」のゆったりとした気分も、時間空間の広がりを感じさせてくれて、気持ちいい。亮太郎さんは新潟在住とのこと。新潟といえば、南十二国さんも新潟だったよなあ。

星空はおほきな時計山眠る 十二国

新潟って、どれだけ星がきれいなんだろう。彼らが見ている夜空を、私も見てみたい。
秋に新潟に行く予定があるので、句会をしましょう、と言って別れたのであった。