「君それは」  神野紗希

「君それは」 神野紗希

臨月の朝日輪に蝶たかる
ひばりひばり湖は空の残像
君それは虹見るまなこ波聞く耳
桃缶やねむれば時間なきごとし
過去過去と蛙は鳴いて水に空
書庫に窓ひとつきりなる春の月
白玉や川は光に選ばれて