「鳥」 野口る理

如月やまた鳥ばかり詠むお前
緩ぶ咲く乾びる縮むチューリップ
草餅を膝に兄等よ朝の汽車
風船の膨らみきらぬところこそ
手拍子のもはや拍手として霞む
あをぞらを目指す梅より散りにけり
弥生はや暗がりに咲く乳臼歯

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