「彼女」 野口る理

蛍来よ彼女の読書妨げよ
人工衛星のやうな氷菓を交換す
雨降るをアスパラガスをもて描かん
紫陽花に住み貧乏を知らざりき
自己愛の果てにパイナップル溶ける
俳聖と呼べど返事もせず昼寝
短夜や魚に魚食はせては