同期の牛同じトレイに収まりぬ
一部の地方で使われている「モー」という言葉がある。
赤ちゃんのオムツを取り替える時などに、
お母さんが赤ちゃんに対して「モーして、モー!」と呼びかけるのに用いる。
つまりは「ちゃんとお尻を出して」という意味合いらしいのだが、
母親から幾度となく繰り返された「モー」の命令は、
知らず知らずのうちに僕自身にも刷り込まれていたらしい。
ある程度成長してからも「モー」という音を聞くと、
「お尻を出さなきゃいけないんじゃないか」という気がしてきて、
思わず声のする方を向いてしまったりする。
そんな丑年のわたくし。
以下、牛の登場する句をいくつか。
すみれ踏みしなやかに行く牛の足 秋元不死男
金輪際牛の笑はぬ冬日かな 飯田蛇笏
秋出水、牛、馬、死んでながれけり 久保田万太郎
食べてゐる牛の口より蓼の花 高野素十
宵闇の牛の温みとすれちがふ 細川加賀
One thought on “2011年6月16日”