2011年7月3日

軍手と辞書とキウイがあって荒れ放題
  
こんにちはノニノニです。

唐突だが、私にはテリトリーというものが存在する。普段はベッドサイドに設置されたケージの中にいるのだが、それでは運動不足になってしまうので、飼い主の御中虫は時々私をケージの外へ出してくれる。しかし出歩いていいのはベッドルームの8畳間だけで、その隣の居間には出てはいけない。

はじめてここへ来た頃、私はその境界をしばしば踏み越えて居間に突入してしまい、死ぬほど、死ぬほど、死ぬほどしばかれたものだ。
今では私の体が8畳の広さをすっかり覚えているので、そんなことはしない。
うるわしい住み分けの日々が続いた。

ところが最近、私はまた冒険心をおこしているのである。おなかを床にすりつけて、まさに匍匐前進といった態で、隣の居間に顔を出す。怖いのですぐひっこめる。でもまた出す。そんな日が続いたある日、私はとうとう居間に侵入することに成功したのだ!虫は私を怒るだろうか、と思っていたが、私があんまりびくついているので、呆れて怒らなかった。
  
ところで居間を見回して私が気付いたことがある。
はっきり言おう。
きたない。
「えーそうかな」と虫はキャラメルコーンをむしゃむしゃ食べながら言った。
「きたないよ。なんで句集の在庫箱のなかに軍手があるの」
「句集が売れたぶん、箱に隙間が空いたからだよ。なんか入れるほうが合理的でしょ」
「こたつのコードも入っていますが」
「ソレ、そこにあると便利なのよねー」
「本は本棚にしまってよ。辞書なんかそんなに使わないくせに目立つとこに散乱させて。見栄張ってんじゃねーよ」
「イヤァ、辞書は結構使うよ。上にやかんとか置けるし」
「んじゃこのキウイ!いつからこたつの上にあるの!?もう食べられないんじゃないの!?」
「ん~。ん~。こたつの上にキウイってなんか俳句的だと思って置いてみたんだけどねえ。いまいちだったかな。あっでも今回この句に使えたよねだから良し!」
  
言い訳はいいから早く掃除してほしい。
  

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