2017年8月9日

肩に棲む飛魚死ねばもつと好き

―――小津夜景さん、インタビュー 前編

『フラワーズ・カンフー』、とても羨ましい句集でした。のびやかで凛としていて。親しいけれど遠くて。言葉たちが読者と出会うことでふわあっと咲きはじめる、そんな印象を持ちました。第8回田中裕明賞受賞おめでとうございます!

素敵なご感想、ありがとうございます。

田中裕明賞に応募したきっかけはなんですか?

周囲の方々のすすめです。

2013年に準賞を受賞された第二回攝津幸彦記念賞の応募動機を、
「攝津幸彦」という賞の名前に魅力を感じたから。https://sengohaiku.blogspot.jp/2013/10/settsuprize3.html
とお答えになっていたのが印象的でした。

あのときは「攝津幸彦の作品ってどんなのかな?」とネットで調べたら「幾千代も散るは美し明日は三越」の連作が出てきたんです。それを読んで、あ、この賞は応募してもだいじょうぶ、まちがって受賞しても恥ずかしくないし、むしろ受賞した方が良い、と直感しました。

夜景さんにとって、賞とはどのようなものですか?

攝津幸彦賞については、最大の動機は審査員の高山れおなに会いたかったからなのですが、そのためには新人賞を獲ってデビューしないといけない(と勘違いしていた)ので自主的に応募しました。
田中裕明賞については応募を考えていなかった。だから、いまだに周囲に引っぱり出してもらった気分でいます。
どちらの賞も、受賞して良いことがいっぱいありましたよ。

 

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小津夜景 おづ・やけい 1973年北海道生まれ。
句集『フラワーズ・カンフー』(ふらんす堂)、ブログはこちらです。

◆次回は、インタビュー後編

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