2017年11月6日

冬木の芽とふお見合ひの瞳かな

昨日が縁結びの日。そして今日は、1947 年 11 月 6 日、東京の多摩川河畔で戦後初の集団お見合いが開催されたことからお見合い記念日とされている。これは、結婚紹介雑誌『希望』が主催したもので、戦争のために婚期を 逃した男女 386 人が参加したとされている。

お見合ひの真つ最中や松手入  西村麒麟『鶉』

国立社会保障・人口問題研究所の「第 15 回出生動向基本調査結果」によると、結婚年次別に恋愛結婚・見合い 結婚の推移は、戦前には見合い結婚が約 7 割を占めていたが、その後一貫して減少を続け、1960 年代末に恋愛結婚と比率が逆転した。その後も見合い結婚は 20 世紀を通じて減少傾向にあり、1990 年代半ばに全体の 1 割を切って以降は低い水準で推移し、2010~2014 年には 5.3%にとどまっている。

桐一葉落ちて「俺つて嫁にどうよ?」  関悦史『花咲く機械状独身者たちの活造り』

「そのキャラでどんどん行けぇ。お互い幸せになろうぞ!」 中学生の頃、学校の中でも若くてスタイルも良くて美人だったある先生に「早くいい人を見つけて結婚した方がいいよ」と、どういうわけかうざったいほど結婚を勧めていた私。中学卒業後、ある年その先生から届いた年賀状には、お相手の人との写真とそうしたメッセージがあった。すごいな、美しいな、よかったなと思った。

行く春のかがみに俺を笑ふ僕  五島高資『海馬』

今やその時のその先生の年齢もとうに越えてしまったであろう、幸せでない自分がいる。少しも恨んではいないが、どんどん行った結果がこれだよ。笑えないなと言いながら自分で自分を笑っている自分がいる。出来の悪い生徒ですまない、先生。