2011年5月27日

死はいつも見知らぬ祭ゆくごとし

   

 地元に祭りがある人は幸いだ。祭りに行けば、幼なじみやご近所さんがいて、ふるさとを濃密に感じることのできる人は、幸いだ。僕の生まれた東京では、そういうものはない。東京を離れ、これから何年もここにいれば、ここも僕にとってそういう土地になるだろうか。ここが第二のふるさとだと、人に語るのではなく、自分の中で納得できるものだろうか。
 でも、たぶん、違う。すごく楽しい雰囲気なのに、何度訪れても知り合いの誰もいない祭り。永遠に僕を受け入れない祭り。そういうものかもしれない。そうではないかもしれない。でも僕は、不思議、僕を受け入れない祭りにこそ、安堵を感じてしまう。仕方がない、それが出自というものなのかもしれない。

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