2012年9月7日

遠足や星座の距離で野に座せる

「俳句ディベート」の審査をして気付いたのは、沖縄の高校生の鑑賞がとても豊かだということだ。司会の本木くんに「沖縄はレベルが高いね、すごいね、驚いた」と話しかけると、「定期的に句会をやったり、俳句ディベートの勉強会をしたり、地区予選をしたりしてるんですよ」とサラリ。これまでの歩みが大会パンフレットに載っているというので目を通すと、毎週のように勉強会や予選が行われている。本木くんもできるだけ足を運んで中心メンバーとして運営にかかわっているそうだ。あたりを見回せば、俳句甲子園で選手として今年出場していた首里高校の女の子たちが壇上で句めくりの手伝いをしていたり、俳句甲子園のOBの大学生たちが司会や会場設営を担当していたりと、運営スタッフにずいぶんと若い人が目立つ。「僕たちも刺激になりますから」と彼らは言う。

彼らがこのまま俳句を続け、ひとつのゆるやかな共同体として成長していったとしたら……十年後の若手は、沖縄の俳句シーンをはずして語れなくなる。そんな予感がした。