さやけしや水より奪う夜光貝
公設市場に着くと「今日はひとが少ないですね~」と、大学生のアサトくん。確かに、数年前に訪れたときは、もっと人でごったがえしていた。島らっきょうの試食をすすめてくるお店の人たちも「今日は台風前だからね~魚が少ないのよ」と困り顔。
とはいっても、各々の店頭には、たっぷり敷き詰めた氷の上に、南国らしい魚たちが並べられている。イラブーの真っ青な肌を見て、ああ、ここは違う食文化圏なのだと了解した。水槽の中には伊勢海老がひしめいていて、髭がにょろにょろと水面に飛び出している。隣の水槽には大きな貝が。「これは何の貝ですか」と聞くと「夜光貝よ」とのこと。
「貝好き?今食べてみる?」と聞かれて何のことかと思ったが、公設市場では魚介の売値に加えて500円の調理料を払えば、その場で料理してくれるのだという。「お刺身にできるよ」と言われて心が動いたが、さっき朝ごはんにホテルのバイキングを食べたところだったので、ぐっと我慢。
小さい子どもの顔ほどもある、大きな夜光貝。きっと水から引き揚げたら、引力がかかって、グッと重くなるのだろう。