猫二匹碁石のごとし秋の風
摩文仁の丘をあとにして、ひめゆりの塔へ。資料館を見て車へ戻ってきた高校生3人は、心なしか静かだ。「しゃべる気にならないだろう」と郁良さんが聞くと、うなずいていた。
つづいて、車は、イハくん・アサトくんおすすめの奥武島へ向かう。地元で大人気の天ぷら屋さんがあるのだとか。「天ぷらといっても、本土のとはちょっと違いますよ」。
カーナビが教える通りに左折して小さい橋を渡ると、そこはもう奥武島。車で5分もあれば一周できるほどの小さい島だそうだ。海のそばの駐車場に車を止めて、天ぷら屋さんへ歩いていく道なりに、猫が何匹もうろうろしている。「うにゃあ」と寄ってくる黒猫をしゃがみこんで抱き上げると、とりあえずちょっと大人しくしてくれている。目やにがぼろぼろで、黒い毛にもたくさんの土ぼこりがついている。正真正銘の野良猫だ。
天ぷら屋さんは、テイクアウト専門。私たち以外にもひっきりなしにお客さんが訪れている。本当に人気なんだなあ。各自、食べたいものを注文。私は、アーサー(もずく)の天ぷらとソーセージの天ぷらを買った。どれも50~80円程度とお手軽価格だ。アーサーの天ぷらは、外はカリっとしているのに、中はもちもち。本土の天ぷらよりも衣がもっちりとしていて食べでがある。ソーセージも、ジューシーな肉汁がそのまま閉じ込められていて、沖縄そばを消化して久しい小腹を、しっかり満たしてくれた。
食べている足元に、痩せこけたトラ猫が来る。眼光ばかり鋭く、貧相な顔をしている。「欲しいの」と聞くと、「ふぐぁ」とヘンな声を出して、あっちへ行ってしまった。