2012年9月25日

見て飽かず梨さらさらと剝く汝を

12時すぎ。そろそろ昼ごはんの時間だ。下のレストランで食べようかと思って覗いてみたら、朝のバイキングと似たようなメニュー。できれば違うものが食べたいけど、外へ出ても、お店は台風接近でどこもお休みのようだし…。ホテルの部屋で午後を過ごすための食糧をGETしようと思っていたから、先に向かいのコンビニへ行こうとホテルを出た。

かきいれ時の八月というのに、閑散とした国際通りだ。すると、コンビニのすぐ隣の料理店にあかりがともっている。なんと営業しているではないか。お店の名前は「碧」。いぶかしげに立っている私に、優しそうなお姉さんがドアを開けて「どうぞ」と言ってくれたので、ふらふらと誘われるように入店した。

何料理の店なのかさっぱりわからず店内に入ると、大きな鉄板がいくつも並んでいる。お姉さんの持ってきてくれたメニューには「石垣牛ステーキの店」の文字。ひえええ、鉄板焼きのステーキのお店だったのだ。しかも、客ひと組につき、お姉さんが一人専属でついて、目の前でいろいろ焼いてくれるのである。

これは高いのでは…おそるおそる金額を見ると、確かにいい値段ではあるが「ごめんなさい」と逃げ出すほどでもない。どうせ、今日はいちにちどこへも行けないのだ。腹をくくって、石垣牛ももステーキ(久米島産車海老二尾つき)コースを注文。ついでにワインかなにか飲みたいと思ってメニューをめくっていると「白ワインならこのへんがお勧めですよ」とお姉さんが勧めてくれる。「お姉さんはどちらのほうが好きですか」などとおっさんのような質問をして、結局「私はこっちの白ワインが好きなんですよ」と指差されたものをボトルでいただくことに。

運ばれてきたワインを飲んで「わ、美味しいですね」と思わず話しかけると、「ああ、よかった!」と満面の笑顔のお姉さん。私が男性だったらすでに恋に落ちているぞとドキドキしながら、お姉さんが上手に目の前で焼いてくれる紫いもを口に放り込んだ。