ネクタイの結び目太く生身魂   黛まどか

「生身魂」こと一家の長老が、「ネクタイ」を締めているのだから、
その場に集まる人々もきちんとした格好で少し神妙な面持ちでいることだろう。
シャツの襟とのバランス、そのときの流行もあるだろうが、
少し検索してみると、ネクタイの結び目は大きいほうが格好いいらしい。
「太く」という言葉に、その「生身魂」の存在感の大きさも感じられる。

「黛まどか 自選200句」(『俳句αあるふぁ 8-9月号』毎日新聞社、2014)より。