ふぶくたび桜の時間減りにけり   南十二国

この「ふぶく」は、風が強く吹いたときの桜の花吹雪のことだろう。
花時、人々を楽しませる「桜の時間」。散ってしまうまでの美しい時間だ。
風など吹かずとも、時がくれば花は散るのだが、
風のエネルギーを前に、「時間」が「減り」ゆくことをやっと実感する。
そして我々は、桜が散ってしまうことに少し胸を痛めながらも、
このエネルギーがみせる美しさに、ただただ見とれるしかないのである。

「星は渦巻」(『俳コレ』邑書林、2011)より。