金魚玉おかれ金魚の場所となる   西丘伊吹

金魚玉を置くというささやかなワンシーン。
これは、金魚が場所授けられ、誇らしげにきらきらと泳いでいるというような、
あるいは、今まで自由に泳いでいた金魚が金魚玉の中でしか泳げなくなった悲しみというような、
このような金魚の目線ではなく、人間の目線でなのあろう。
金魚玉があることで、自分のテリトリーが減ってしまうという、日常の違和感。
そうした違和感にもきっと慣れ、金魚がそばにいる安らぎをも感じ、日常は更新されていくのだ。

『hi→ vol.4』(hi→、2011.7)より。

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