木曾谷や囲炉裏にうごく炎の子   矢島渚男

愛おしみを持って描かれたこの囲炉裏の炎。
「炎の子」という言葉が、優しい視線と生命力を感じさせるとともに、
ファンタジーの世界のような雰囲気も感じさせ、
映画「ハウルの動く城」(監督:宮崎駿、2004)に出てくるカルシファーという火の悪魔(!)も思い出す。
「木曾谷」という言葉が、しっかりと現実に引きつけているところも巧みである。

『野菊のうた』(ふらんす堂、2011.3)より。

ふらんす堂のHP内の若手俳人による書評ページ みづいろの窓 に、
私もこの『野菊のうた』について書かせていただいた。