今年もよろしく雑煮はないけど、きてよ   高木君

話す言葉が、そのまま一句になったような作品。
雑煮がないことをそこまで悪びれていない軽いノリや、
(雑煮よりも素敵な時間を用意できるという自信がとても薄く見えるような仕上がり)
「今年もよろしく」という連続した時間に、二人の関係性を色々想像させる。
それでも「、」を使うことによって、「きてよ」にぐっと踏み込むように重みが増し、
本当は心細いような思いと、また、改めて「きてよ」と言葉にすることの躊躇いが感じられる。

元日の夜はぷちぷちケータイ俳句(NHKラジオ第一、2012.1.1放送)より。