「高きへ」という表現をビルやタワーの高さと読むこともできるが、
「都市」に集まり都市を都市として築いてゆく人たちの志や理想、プライドのことも思う。
高度な文明が発達したと言われている伝説の空飛ぶ島、ラピュタ王国にまで思いが至るが、
また、掲句収録の作品の中には「冬青空都心のふかきところまで」という句もあり、
高さと深さがあるということ、つまり、唐突に空中にある高さではなく、
積み重ねて築いてきた高さであるからこその高低差を感じ、ふかさを感じさせるのである。
やわらかな春の陽射しが、地から遠く離れてゆきつつあるさみしさをなぐさめてくれるようだ。
「像」(『俳句 3月号』角川学芸出版、2012)より。