寒鯉の水ゆらさずに沈みけり   永井潤子

どっしりとした「寒鯉」のしずかな動き。「ゆらさず」のひらがな表記と対比される。
きっと水面には伝わらない深いところを目指しているのだろう。
冷たく重い寒の水のと一体化していくような、優雅ながらどこか憂いのある句。

『氷室 4月号』(氷室俳句会、2012)より。