日当たりが良くて立派に枯れる草   山崎十生

日当たりの良さは、ふつう、よく育つことにイメージがつながりやすい。
それを「枯れる」こととつなげたのが新鮮でもあり、納得させられる。
日当たりが悪いところでは、草もなんとなくしなしなと枯れているのだろう。
けれども「立派に枯れる」ということは、必ずしも立派に育ったということとは関係しないと思う。
そこに希望があって、明るく枯れていく草の「立派」(パリッと感がある)さに元気づけられるようだ。

『悠々自適俳句入門』(角川学芸出版、2012.4)より。