とは云え牡蠣のスウプお代り兄死後の   金原まさ子

「感謝の半減期は短いのですって。」と詞書。
兄が死んだあとも、あたたかな〈牡蠣のスウプ〉をおかわりするくらい食べる人。
〈とは云え〉〈お代り〉の無邪気さや詞書の内容から伝わってくるのは、
非情さであるが、無情であるのとは違う。
それにつけてもおやつはカール♪、くらいの軽いノリにこそ、兄への想いが詰まっている。

『カルナヴァル』(草思社、2013.2)より。

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