2009.1.2ふらんす堂刊行
『季語別櫻井博道句集』より。
オタクやマニアとか言うと何だか嫌な感じがするかもしれませんが、鉄道、天体、ギター、盆栽、将棋や囲碁、アニメやアイドル、スポーツもそうか。そしているもちろん詩歌も、オタク道だなぁと思います。
先日若い人達とぼるがに行きましたが、焼鳥を囲みながら、モンモンとムンムンと俳句の話を
し続ける姿は、まことにオタクイズビューティフル(チャンコ増田、知ってるかな)だなと思ったわけです。
会話の語尾にござるを付けて一部紹介。
俳句とはなんでござるか?俳句作家とはなんでござるか??なぜ発表をしないでござるか?作品は作り続けているでござるよ!◯◯氏は最近松坂桃李に似て来たでござるな。そうでござろう、そうでござろう。拙者黒ビールを所望!◯氏は◯を辞めたでござる。なんと!まことでござるか。その件に関しては株式の仕組みに言い換えればわかりやすいでござる。◯協会と◯協会の違いでござるが…。あの頃◯は17歳やそこら、懐かしいでござるなぁ。拙者はウーロン茶をおかわり!◯◯で朝吸う煙草は格別でござる。権力に媚びを売るのは嫌でござる!◯◯することこそ権力に身を委ねることではないのではござらんか!!◯◯はどうなっていくのでござるか??それに対しては現在討議中でござる、ご心配めさるな。
そう言えば、集まった男は僕を含め全員眼鏡だった、黄色やピンクの鉢巻でもしていればもっとオタクらしくて面白かったかもしれない。
ビューティフルな夜でした。
じゃそろそろ清らかなことを書こうかな。博道さんラストです。『椅子』以後の句もこの全句集には載っていて、とても貴重です。
『椅子』以後。
春の雪右に左に時間ゆれ
私の美しい時間。
起きて旅ごころなる黄水仙
もう会社には行きたくない。
春の風雑木林も瞳をほそめ
ニヤ。
老いの手のトランプ遊び花ぐもり
単純な遊びを何度も何度も。
葉桜や前へならへの腕ひかる
若いかどうかは、光るかどうか。
立冬の街の真顔や山かすむ
真面目に真顔。
二日目のコップのタンポポ立ち上る
タンポポが立った!!(ハイジ)
春寒しキャッチボールのたしかな音
ちょっと寒いけど、楽しい。
朝粥に汗かいてをり秋の蟬
朝は粥。病室だと考えると、秋の蝉であるとしみじみ聞いているのかもしれない。
太鼓のごと患者のたたく大かぼちや
病院は暇なので、小さなことが驚きであり、嬉しい。
飾りけり食べごろ過ぎしふきのたう
見て嬉しい。俳人ならより嬉しいはず。
博道さんは今回で終わりです。季語順に読んでもへーと楽しめる本です。
じゃ
ばーい
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